
先日図書館に行った時に、予約本が3冊届いていたのだけど、どれも分厚くてちょっとビビっている。
成瀬シリーズを読み終えてからなかなか次の本を手に取る気が起きず、『トリカゴ』も借りてきてから読み始めるまでに何日かかかったし、読み始めてからも思ったよりも進まなかったのだ。
返却日も迫ってることだし、早く読まねば。
この『氾濫の家』は先が気になって、2日ぐらいで読んでしまった。
『氾濫の家』 佐野広実
佐野広実さんは『誰かがこの町で』しか読んでないと思うけど、社会の暗い部分を抉り取るみたいなテーマで興味があったので読んでみた。

物語の展開
郊外の住宅地にある正木家で、この家の主人である大学教授が腹部にナイフが刺さった状態で死亡しているのが発見された。
刑事は周辺の家に状況を聞き込みにいくのだが、隣家の新井家の主婦、妙子の様子がおかしいことに気づく。
この物語の中心は新井家だ。
横暴な夫と、夫に洗脳されているかのような妻。
そんな両親に批判的な目をむける娘と息子。
夫の篤史は会社内で汚れ仕事を担当しており、大学の先輩である上司には逆らえない。
夫のほうにも事件が起こり…。
読み終えて
「犯人探し」として読むと全然期待外れになると思う。
篤史の会社の問題も、事件としてはとんでもないことだけど、わたしは新井家の物語として読んだ。
今時こんな男がいるのか。
吐き気がするほど横暴で自分勝手、そのくせ会社では善悪の判断もせず上司の言いなり。
子どものためと言いながら、結局は自分の思いどおりにしたいだけだ。
妙子は夫の顔色を伺うばかりで、本当に大切なのは何かを考えようともしていない。
今でもこんな時代錯誤的なことを言う夫や姑がいるのだろうか。
腹立たしく思いながら、でも先が気になってどんどん読み進む…、そんな感じ。
結末は「よかった」と言っていいのか、喜んでいいのか。
それも不謹慎な気もするけど。
とりあえず、妙子も子どもたちも解放されて伸び伸び暮らしていけるのだろう。
蛇足ながら、大学教授の殺人事件については犯人の動機などもあまり説得力がなく、犯人と妙子の関係性もよく理解できないままで、わたしの中では「なくても物語は成り立ったのでは?」と。

