【シニアの本棚】『それでも旅に出るカフェ』|ふんわりだけどピリッと辛い
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【シニアの本棚】『それでも旅に出るカフェ』|ふんわりだけどピリッと辛い

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先日読んだ『ときどき旅に出るカフェ』の続編。

【シニアの本棚】ときどき旅に出るカフェ|謎解きと旅行気分を味わう
『どきどき旅に出るカフェ』 近藤 史恵 1歩も外に出ない生活なので、この夏は読書が捗る…。お久しぶりの近藤史恵さんだ。 物語の内容 会社員瑛子の住むマンションの近くに新しくできたカフェ・ルーズ。そこでは、店主の円が実際に行った国で味わったメ...

今回は例の病が蔓延していた時期が土台になっている。

瑛子はテレワークをしていて閉塞感に襲われていたが、状況が少しずつ良くなり、休業していたカフェ・ルーズも営業を再開した。

今回もカフェ・ルーズにやってきたお客さんの悩みやちょっとした謎が描かれていく。

外国に住む姉を気にかけている女性、壊れかけた友人関係、聴覚障害のある女性の思い、店に来て2時間以上円のことを見ている男性…。

人々はそれぞれ新たな方向を見つけていくのだが、ある日円の店が荒らされ、レシピが盗まれるという事件が発生する。

緑道公園のランタナ

今回も見たことも聞いたこともない、いろんな国の食べ物がたくさん出てきて興味深かった。
前作と少し違ったのは、カフェ・ルーズで事件が起きたということ。

あるパティシエが店に来て、円にいろいろ教えようとするのだが、彼女は「わたし、こういうお菓子を馬鹿にする人から教わることはなにもないと思っています」と言って、彼の申し出をピシャリとはねつける。

そこは読んでいて気持ちがよかったのだけど、後に事件のきっかけになってしまう。

瑛子も円もしっかりとした自分軸があり、自分の生き方に自信をもっている。

上っ面だけ、こちらを褒めてくるタイプの友達もいた。つきあいのように、こっちも相手を褒めたり、謙遜したりしているうちに、ひどく疲れてしまった。 
ただ、空手形を切るように、コミュニケーションのためだけに思ってもいないことを言い続けることにうんざりしてしまったのだ。  (p.206)

瑛子のこの考えにはとても共感できる。

おいしそうなスイーツもさることながら、彼女たちの生き方が前作以上に心に沁みた。
アイスランド…、行ってみたくなったわ。

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今日も最後までお付き合いくださってありがとうございます ^_^
どうぞ、ステキな1日を! 

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