公開当時から気になっていた映画「PLAN75」。
Amazonプライムで昨日配信されたので早速視聴した。
PLAN75:監督・脚本 早川千絵
物語の展開
主人公は倍賞千恵子さん演じる角谷ミチ78歳。
75歳以上の後期高齢者は自分で死を選べる「PLAN75」という施策が成立し、申請を推進している。
このプランに申し込むと支度金として10万円が給付される。
それで最後の旅行をするもよし、葬儀費用に当てるもよしということらしい。
合同葬だと無料だそうだ。
ミチは夫を亡くしてひとり暮らしをしており、ホテルのベッドメイキングの仕事をしている。
その職場では同じくらいの年齢の女性が4人働いている。
ある日、そのうちの1人が仕事中に倒れ、年齢を理由にほかの3人も解雇された。
家を引っ越そうにも高齢という理由で断られ、なんとか夜間の交通整理の仕事に就けたけれども、体力的にきつい。
公園で炊き出しをしているのをぼんやり見ていると、そこへ職員が温かい豚汁(?)を持ってきてくれる。
その丼を手にした時のミチの気持ちはどうだったのか…。
以前の職場の同僚もみんな自分のことで精一杯のようだ。
職場で倒れた友人稲子に電話しても出ないので、彼女の家を訪ねたミチ。
そこで彼女が見たものは…。
ついにミチはPLAN75に申し込むことにした。
申し込んでからその日を迎える時まで、コールセンターのスタッフが時々電話をしてくれ話し相手になってくれる。
昔の思い出を嬉しそうに話すミチ。
そして当日、家を出て自分で施設へ向かい必要な処置をされるのだが…。
視聴を終えて
当たり前だけど、重い、すごく重い。
台詞の少ない映画で、視聴者は音でいろいろな状況を思い浮かべることになる。
例えば、ミチの同僚稲子が職場で倒れた時も、その場面は描かれずバスルームで転んだような音がしてシャワーの音がいつまでも流れる。
あ、倒れたんだな…と、想像する。
どの場面も説明台詞が全くない。
その描き方が素晴らしいなと思った。
PLAN75関連の仕事をするのは若者たちだ。
コールセンターで話し相手になったり、亡くなった後の諸々の処理をするスタッフたち。
申し込みを受け付ける役所の職員。その職員の、20年間音信不通だった叔父が申請に現れる。
初めは仕事として携わっていた彼らにも、少しずつ気持ちが変化してくる様子がうかがえる。
コールセンターのオペレーターの研修では「途中で気が変わるお年寄りが多いので、そうならないよう上手く誘導してあげてください」と指導されている。
それを横で聞いているミチの担当者だったスタッフ。
昨日の今日なので、わたしの中にも1つ1つの場面がすごく鮮明に残っていて、全部を語れるくらいだけどやめておこう。
わたし自身は、自分がその立場になったらそういうプランもありなのかも…という気持ちで見始めたけど、やはり衝撃的だった。
人ごとではない気がした。
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