『地面師たち』新庄 耕
先日図書館に行って、いつもは予約本を受け取るだけなんだけど、書架の間をウロウロしてて目についた作品。
そういえば、Netflixで配信してるって、評判になってたよな
あの、○○ハウスの事件だよね
ってことで、予定外だったけど借りて帰った。
暑すぎて引きこもってるから、読書もいつになく進むというものだ。
物語の展開
親族が経営する会社が詐欺被害に遭って倒産し、巨額の借金を抱えた父親が無理心中を図るが、父は生き残り収監されている。
母親と妻子を亡くした辻本拓海はタクシー運転手や派遣型風俗店のドライバーなどで生計を立てていたが、ある日ウチダと名乗る詐欺師に出会う。
ウチダはハリソン山中という大物地面師で、拓海も他の仲間と共に不動産詐欺の道へ踏み込んでいくことになる。
ハリソン山中が狙うのは100億円の広大な土地。
所有するのは光庵寺の女性住職である川井菜摘。
買主は大手不動産会社の石洋ハウス。
地面師たちは、川井が沖縄に旅行している間に契約を交わしてしまおうという計画だ。
住職の川井になりすます女性の人選は面接で行われる。
パスポートの偽造、なりすます人物に川井の生年月日や干支などを覚え込ませるなど、石洋ハウスの担当者を欺くための準備が進められる。
一方、定年間近の刑事、辰は今も大物詐欺師ハリソン山中を追っている。
辰は拓海と接触し、彼の父親を騙して倒産に追い込んだのはハリソン山中であることを告げるのだが…。
読み終えて
悪人ばかりが出てきて、読み初めは気分が悪くなった。
作品の内容からすると当たり前のことなんだけど。
あの事件が起きたのは2017年のことで、あの大手ハウスメーカーがそんなことに騙される?と不思議に思ったものだ。
もちろんこの作品はフィクションだけど、どうやら似たような状況ではあったらしい。
読み進んでいくうちに、地面師グループの仕事の段取りの緻密さや巧妙さが興味深く、緊迫感もあって徐々に引き込まれてしまった。
気になるのは、刑事の辰から事の真相を知らされた拓海の行動だ。
彼がどういう行動に出るのか…。
「そうだよね、それはそう思うよね。いいよ、やっちゃえ」という思いで読んでたんだけど、残念だったよ。
人が生き延びて残念というのも不届きな言い方だけど。
逆に拓海くんは命をとりとめてよかったわ。
悪は滅びなければならない、悪人は罰せられなければならないと、おばちゃんは思うのよ。
勧善懲悪じゃなくっちゃ。
続編が出てるみたいだね。
ハリソン山中の最期が見られるのだろうか。
悪人ばかりで気持ちのいい話ではないだろうけど、読んでみようかな。
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今日も最後までお付き合いくださってありがとうございます ^_^
どうかステキな1日を!