『湖の女たち』 吉田 修一
吉田修一さんの作品は好きなのが多いです。
『怒り』とか『国宝』とか、とても重厚で深くて読み応えがありました。
『怒り』は映画もよかったです。
『横道世之介』も大好きです。
今作は未読だけど、映画化されたというニュースを耳にしたので読んでみました。
物語の展開
琵琶湖近くの介護療養施設で、百歳の男が殺された。捜査で出会った男と女―謎が広がり深まる中、刑事と容疑者だった二人は、離れられなくなっていく。一方、事件を取材する記者は、死亡した男の過去に興味を抱き旧満州を訪ねるが…。昭和から令和へ、日本人が心の底に堆積させた「原罪」を炙りだす、慟哭の長編ミステリ。
(Amazon 内容紹介より)
内容紹介では「殺された」と書かれていますが、寝たきりで人工呼吸器をつけて療養中だった男性が亡くなり、その原因が人工呼吸器の不具合による事故か、スタッフの過失かというところから始まります。
読み終えて
正直、期待外れ。
「物語の展開」をまとめる元気もないくらい。
なんだか散漫で、わたしには芯になる部分が見えてこなかったんですよねぃ。
初めのうちは「さすが、作家さん」と思って読んでました。
例えば9ページ
佳代は車のドアを開けた。乗り込んだ瞬間、車内の熱でどっと汗が噴き出してくる。
わたしみたいな凡人は「車に乗った」で終わってしまうけど、こういう描写が大切なんだよなーと思って読みました。
が、この事件担当の濱中圭介という刑事がなんとも不愉快。
気持ち悪い。
意味不明、理解不能。
佳代との関係も吐き気がしそうでした。
途中でやめようかと思うほどでしたが、どうやら殺人らしいという展開になり、事件の顛末も気になるので我慢して読み終えたという状態です。
読み進んでいくと、圭介の言動は上司との関係が原因なのかなと思うところもありました。
それにしてもわたしには異常としか思えません。
もちろん佳代も異常。
この2人の関係は、この物語に必要だったのか甚だ疑問です。
映画の公式サイト で、原作者は「二人が重ね合わせるのは体ではなく、互いの弱さである。互いが日常生活で抱えている服従心である。」と言っています。
はぁ、そうですか。
わたしにはそこまで読み取れませんでした。
最後の「半年後」の場面でぼんやり結末が見えてきて、少しだけ気分が落ち着きました。
♫〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
今日も最後までお付き合いくださってありがとうございます ^_^
どうかステキな1日を!