『いつもの木曜日』 青山 美智子
『木曜日にはココアを』のスピンオフで、あの日以前の人々の姿が描かれています。
絵本ぽい、とても可愛らしい装丁です。
マーブル・カフェのマスターの話から始まり、店員のワタルや幼稚園教諭のえな、その先輩の泰子などカフェに訪れた12人の人々のエピソードです。
それぞれのお話にキラッとした気づきや癒しが描かれています。
特に印象に残ったフレーズを挙げてみます。
物語の展開
- マスター
「楽しいこと」より「楽しみなこと」がたくさんあるほうが、人生は幸せなんじゃないかと思う。 (p.04) - ワタル
計算は苦手な僕だけどーー。
そのおかげで、こんなふうに思いがけない宝物発掘が仕掛けられているなら、それも悪くないじゃないか。(p.11) - 泰子
信号の青は「進め」と命令されているんじゃない。「進むことができる」と知らされているだけ。 (p.34) - 理沙
青信号の点滅は、「早く渡れ」とせかしているんじゃなくて、「次の青が来るまで今は少し待ったほうがいいよ」と教えているんじゃないかな。 (p.38) - メアリー
立ち止まらずに前へ前へと進むことを、ポジティブと言うのだろう。だけど私は、時々ポジティブに振り返って思い出したい。(p.82) - マコ
何かをやりたい、知りたい、と思った時点で人は変わる。 (p.85)
読み終えて
わたし自身「転ばなければ気づかなかったものが必ずあるのだから、転んだことを嘆いていてはいけない」という言葉を心の糧にしてきたので、ワタルくんの気づきは、とても共感を覚えました。
マスターの「楽しいこと」より「楽しみなこと」がたくさんあるほうが幸せなんじゃないかというのも、今の暮らしの希望になります。
だいたいなんにもない毎日だけど、先の小さな「楽しみ」はいろいろあるのでね。
それが実現するかどうかは別として、「楽しみなこと」を持てるのは幸せなのかもしれないと思えます。
さて、横断歩道で青信号が点滅し始めた時、どうしますか?
走って渡る? それとも待つ?
年齢的なこともあるかもしれないけど、わたしは断然待つ派です。
結構若い頃から待つ派だった気がします。
何か考えがあってのことではなく、とりあえずそれまでの歩調を崩すのが嫌なんです。
わたしにとっては、待つほうが安らかです。
メアリーの言う「ポジティブに振り返って思い出したい」にちょっとハッとさせられました。
あんまり「振り返る」ってことをしないんですよね、わたし。
過去の出来事って忘れてることが多いし、振り返ってもしょうがないみたいな気もするし…。
振り返ってもしょうがないと思ってるから忘れるのかな。
だけど私は、時々ポジティブに振り返って思い出したい。
p.82
苦しくてもがんばってきたこと。
たくさんの人に、助けてもらったこと。
今の私が、どれほど嬉しくてどれほど感謝していて、多幸感に満ちあふれているか。
手にしている安らぎが、あらゆる試練と応援と幸運の積み重ねで成り立っていることを。
そうだね。
そういうことを振り返って思い出すのも大切なことだよね。
いろんな気づきがありました。
まだまだ前を向いて歩いていく希望みたいなのも感じました。
装丁も含めて素敵な作品でした。
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今日も最後までお付き合いくださってありがとうございます ^_^
どうかステキな1日を!