井上荒野さんは、随分前に2、3作読んだことがあるような気がする。
今回は、ドラマ『照子と瑠衣』を観て、彼女の作品をまた読んでみようと思ったのだ。
- Contents -
『私たちが轢かなかった鹿』 井上 荒野
物語の展開
5編から成る短編集で、それぞれのエピソードが登場する2人の視点から描かれている。
- 私たちが轢かなかった鹿
52歳の杏子。
杏子の息子である晴が、付き合っている女性で杏子の22年来の親友である真弓とともにやってくる。 - 不幸の * * * *
お掃除メイトの石田沙恵美
依頼者である女性るみは、沙恵美が来ることを忘れていたようで、家には男がいた。
2人は夫婦ではないようだが…。 - 犬の名前
還暦を過ぎ、医師から進行癌であると告げられた野副圭介。
彼は20年前妻に離婚され、その後すぐに面接に来た若い女性萌子と結婚する。
自分の死期を知って狼狽える圭介と、萌子の話。 - つまらない掛け時計
大学教授の伊藤海晴は、コメンテーターとしてワイドショーなどにも出演する有名人だが、郁佳という女性と不倫している。
ある日、高校生の海晴の娘が家に帰らず連絡も取れなくなった。 - 小説みたいなことは起こらない
出版社の編集者羽多野健太は、年老いた小説家小石川茉莉子の山の中に別荘として建てられた古家で茉莉子とともに暮らしている。
吹雪の夜、見ず知らずの男性が車が動かなくなったと言って訪ねてくるのだが…。
読み終えて
正直、最初の話を読んでいる時には
「えーっ、自分と同い年の友達と息子が同棲してるなんて、無理無理、こんなの絶対無理!」と思って読むのをやめようかと思ったくらいだ。
もうね、ヘンな人ばっかり。
共感なんてできないし、わたしには理解できない、むしろ嫌悪感さえ覚えるほどの世界観。
ただ、2人の相反する視点から描かれるという設定が興味深く、最後まで読んでしまったという感じだ。
唯一「犬の名前」はオチがあったので、ちょっとホッとしたというか、萌子の醒めた気持ちが理解できたというか…。
みんな悪人ではなく、たぶん普通に生きている人なんだけど、なんか微妙に怖い。
気持ち悪い。
かといって面白くなかったわけではない。
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今日も最後までお付き合いくださってありがとうございます ^_^
どうかステキな1日を!