『北緯43度のコールドケース』 伏尾 美紀
デビュー作、江戸川乱歩賞受賞だそうで。
物語の展開
異例の経歴をもつ警察官沢村依里子。
5年前に誘拐された女の子の遺体が古い倉庫内で発見された。
誘拐犯と思われた男は5年前に電車に轢かれて死亡しており、誘拐された子は行方不明だったのだが、5年間誰が育てていたのか。
そして、なぜ今殺されたのか。
博士号を持ちながら30歳で北海道警察の警察官となった沢村依理子。
ある日、5年前に未解決となっていた誘拐事件の被害者、島崎陽菜の遺体が発見される。
犯人と思われた男はすでに死亡……まさか共犯者が……? 捜査本部が設置されるも、再び未解決のまま解散。
しばらくのち、5年前の誘拐事件の捜査資料が漏洩する。なんと沢村は漏洩犯としての疑いをかけられることに。
果たして沢村の運命は、そして一連の事件の真相とは。
組織に翻弄されながらも正義を追い求める沢村。
警察官として、ひとりの女性として葛藤し成長していくーー。
読み終えて
このところしばらく心温まる系の作品を読むことが多かったのだけど、たまにミステリー系を読みたくなるのだ。
冒頭、つかみはオッケーという感じで「やっぱり、こういうのはどんどん進むわ」なんて思いながら読んでいた。
それが途中から沢村の個人的な背景や家庭の事情ばかりが描かれ「え、事件はどこ行った?」と。
やっと半分を過ぎたころから事件の核心に迫っていき、そこからはまたサクサク読み進んだのだけど。
犯行の経緯は読者にも想像できるので、「さっぱりわからない」展開より興味深かった。
ただ、いろいろ首を傾げたくなるところはあったのよねぃ。
主人公の沢村は博士号を持ってると言われてるけど、大学院中退したのでは?
犯人が義理の両親に子供を預けた時に、祖父母は全く違和感持たなかったの?
風俗店の売春事件と人権派弁護士のエピソードは必要だった?
黙秘を貫いていた容疑者が取調官が未経験の沢村に変わった途端にスラスラ自白したのもちょっと説得力に欠けるような。
ストーリーとしては先が気になったけど、なんとなくとっ散らかってる印象を受けたよ。
でも、もしシリーズ化されるなら、次も読んでみたいとは思う。
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今日も最後までお付き合いくださってありがとうございます ^_^
どうかステキな1日を!