『透明な螺旋』 東野圭吾
8月は全く読書が進まなかった。
家に2冊ストックはあったのに「返却期限」という縛りがないと読まなくなってしまったのだろうかと、自分で自分を疑ってしまったわ。
そうこうしてるうちに届いた図書館本。半年以上待ってた。
期限があるからというわけでもないと思うけど、さすがに東野さんのガリレオシリーズ、読み始めたらサクサク進んだ。
物語の展開
プロローグは昭和23年に生まれた女児の話。
つまり、現在は70歳過ぎぐらいだということを頭において読んでいく。
事件は南房総沖で漂流している遺体を海上保安庁のヘリコプターが発見するところから始まる。
背中には射創と見られる傷があり、他殺と断定された。
男性は同居していた女性から行方不明者届けが出されていたが、その女性は届けを出した後勤務先を休職し、行方が分からなくなっている。
草薙たちはその女性の関係者を辿っていくうちに、思いがけず湯川の名前に出くわすことになり、湯川も事件に巻き込まれていく。
被害者と同居していた女性の周りには70歳ぐらいの女性の影が見えるのだが、その女性とはどのような関わりがあるのか…。
物語の展開も面白くて先が気になり、どんどん読み進んだ。
普通に、「あー、犯人はあの人だろうな」と推理しながら読めるのだけど、どんでん返しされた…というより裏があったという感じだ。
そんなに単純な話ではなかった。
ネタバレになるからあまり言えないけど、嘘は嘘のままで相手が幸せと感じているならそれもいいのかなと思う。
湯川の言葉どおり、真実を曝け出しても誰も幸せにならない。
その代わり、嘘をつくなら絶対にバレないようにつきとおすことだと思う。
もしかしたら、その70代の女性は嘘だとわかっていて、それでも幸せだと思いたかったのかもしれない。
読み終えて
湯川先生は以前はもっと無機質な感じがしたけど、『真夏の方程式』あたりから人間っぽくなってきたような気がする。
実験もしなくなったし…。
今回は特に人間味を感じてビミョーな違和感を抱いてしまった。
湯川先生も歳を重ねて丸くなってきているということだろうか。
今まで彼の背景はほとんどベールに包まれていたけど、今作では彼の生い立ちも明らかになり、意外な事実が判明した。
何となく違う人のように感じたのはわたしだけかしら。
既に次の事件も起こっているようなので、次回作にも期待。
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