吉田修一さんの原作を読んだのは6年前だ。
スケールの大きさ、物語の重厚さに圧倒され、まるで舞台を観ているかのようだったことを覚えている。

ちなみに覚えているのはそれだけで、細かい内容は例によってすっかり忘れているのだけど。
その『国宝』が映画化された。
李相日監督なら観てみようと思ったのだ。
美しかった。
ただただ美しかった。
役者さんたちの努力もいかほどのものだろうと思うと、壮絶な美しさがあった。
あの2人のための映画、映像だね。
もっと言えば、吉沢亮さんのための映画だと思うくらい。
顔のドアップ多かったし。

本当に美しいものを見せてもらったんだけど、なんだろ、ストーリーに入り込めなかったというか…。
そこまで感情移入できなかったというか…。
なんとなく、時の流れとか登場人物の心の機微とかがブツブツ切れている感じがして、ただそれを追って観てただけみたいな。
ハンカチの準備も怠りなく観ていたのだけど。
唯一、半二郎が倒れた時に、そばにいて跡目を継がせた喜久雄ではなく、出て行った息子の名前を呼び続けていたところはボロッと涙が落ちた。
隣の席の人は号泣してたようなので、きっと感動的な作品だったのだろう。
原作読んでなかったほうがよかったのかも…。
小説を読んだ時の、あの想像の広がりやスケール感が心に強く残っていて、それを超えるものではなかったような…。
自分が原作既読だということに捉われてしまったかもしれない。
田中泯さんの鷺娘で始まり、吉沢亮さんの鷺娘で終わったのが印象的だったよ。
もう1回観てもいい気はする。
たぶん、もう1回観たら感じ方が違うのではないかと思う。
母も観てみたかったと言ってたので、もう1回一緒に行ってみようかな。
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今日も最後までお付き合いくださってありがとうございます ^_^
どうかステキな1日を!