【シニアの本棚】『ドヴォルザークに染まるころ』|衝撃的な書き出し
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【シニアの本棚】『ドヴォルザークに染まるころ』|衝撃的な書き出し

3.5
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少し前に『あの本、読みました?』で作家さんたちが小説の「書き出し」について、とても興味深い話をしていた。

どなただったかも忘れてしまったのだけど、その回は永久保存版にしようと思いつつ、それも忘れて消してしまったのだけど、書き出しに全力を注ぐというようなことを言っていた。

そうなのか、作家さんは冒頭の一節に思い入れがあるんだ…。
何気なく読んでたけど、これからは心して読まなくちゃと思ったものだ。

九州の田舎町にある小学校。
今年度で廃校が決まり、最後の秋祭りが行われることになった。

その準備に追われるPTAや母親会の人々。
その中にはこの学校の卒業生もいるし、よそから引っ越してきた人もいる。

小学生のとき、担任の先生と町の外からやって来た男が駆け落ちしたのを忘れられない主婦。
東京でバツイチ子持ちの恋人との関係に寂しさを覚える看護師。
認知症の義母に夫とのセックスレスの悩みを打ち明ける管理栄養士。
父と離婚した母が迎えに来て、まもなく転校することになる小六の女の子。
発達障害のある娘を一人で育てるシングルマザー。

小さな閉塞した町で生きる人々の姿が、それぞれの視点で描かれる。

冒頭がおばちゃんには衝撃的で「あら、まぁ」って感じで、この小説に入り込めるのかと一瞬不安になったけど。

田舎の小さな町で暮らす人々の閉塞感とか圧迫感とかが描かれていて、「なるほどねぇ、わかるわかる」などと思いながら読んだ。

今年もアマドコロがひっそりと

母校が廃校になると聞いて、最後の秋祭りに訪れた卒業生たち。
ずっと地元で暮らしていた人、町を出て別の土地で生きていた人。
世代間の違い。
小学生だった彼らと、今を生きている彼らの思いが交錯する。

彼らをふと現実に戻すのは夕方5時を知らせるドヴォルザークの「家路」。

正直なところ、「あるよねぇ」とは思うけど共感できた人はいなくて、傍観者的立場で読み終えたという感じかなー。

唯一実体験と重なったのは、5時の「家路」だ。
わたしが子どもの頃、5時になると県庁から「家路」のメロディーが流れてきてた。
「あのサイレンが鳴り終わるまでに家に帰ること」が我が家のルールだったなぁと。

【2025年4月末 タカハラの本棚】

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今日も最後までお付き合いくださってありがとうございます ^_^
どうかステキな1日を! 

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