『金環日蝕』阿部暁子
輪郭は強烈な輝きを放っているのに、
彼の中心は闇に沈み、謎めいたまま―― Amazon 紹介文より
タイトルの所以はこういうところからでしょうか。
物語の展開
大学で心理学を学んでいる春風は、ある日近所の高齢女性がひったくりに遭った場面に遭遇し、その犯人を追いかける。
途中で現れた男子高校生、北原錬と一緒に追いかけるが、すんでのところで逃してしまう。
2人は犯人が落としたストラップを手がかりに犯人を探すことになる。
鐘下という春風と同じ大学の学生と特定することはできたのだがそれで終わりではなかった。
鐘下は大学にも出ておらず、行方不明のようだ。
一方、居酒屋でバイトをしていた女子大生の理緒は、生活苦から、裕福な老人の話し相手になり情報を集めるバイトを始めた。
その仕事を紹介してくれたのは、何やら危険そうな人物だが、理緒はその人物にのめり込んでしまう。
春風と錬は鐘下を探すうちに特殊詐欺に首を突っ込んでしまうことになるのだが、錬にも大きな秘密があった。
その秘密とは…。
読み終えて
初めのうちは、ひったくり犯を探そうとする春風と錬と、理緒の生活がダブルプロットのような感じで進んでいくのだけど、後半でつながります。←当たり前ですね。
世の中の、「しんどい」とか「助けて」とか声を上げられない人々を掬っているような部分もあり、共感できるところもありました。
終わりに近づいたところで40ページぐらいにわたって、事情を説明する描写があるのだけど、おばさんは頭が緩いので、正直読むのがしんどかったです。
頭が混乱してきました。
たぶん、わたしだけだと思いますけど…。
なんだろ…、なんかね、最後が説明に終始したという感じでね。
あと、主人公のはずの森川春風の存在意義がちょっと曖昧というか…。
彼女も心に傷を抱えているのだけど、
私は弱い。私は囚われている。私はそれを認める。
p.409
けれど弱く脆い人間が、その弱さと脆さによって、立ち上がることができると私は信じる。
という希望のある終わり方で、よかったと思います。
思いますけど、この一連の出来事からそこに繋がるのがなんとなく唐突な気がしてしまいました。
♫ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
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