『あなたが誰かを殺した』 東野 圭吾
図書館本。
予約したのがいつだったか忘れたけど、600人以上待ちだったと思う。
さすが図書館利用率日本一の我が県、さすが東野さん。
というわけでやっと順番が回ってきた。
物語の展開
とある別荘地に所有者4家族が集まり、毎年全員でBBQパーティが催される。
- 栗原家:公認会計士の夫と美容師の妻、高校生の娘
- 高塚家:多くの会社を経営しており、地域一の立派な建物の所有者
部下の小坂一家(妻と男子小学生)が同行している - 山之内家:夫が亡くなり、未亡人が本宅として暮らしている
姪の春那とその夫が参加 - 櫻木家:夫は病院を経営している
夫妻と娘、娘の婚約者である内科医が参加
そのほかに1軒「グリーンゲイブルズ」と呼ばれている空き家があり、山之内静枝が管理を任されている建物あり。
いかにも裕福で仲良く別荘での生活を楽しんでいる様子の4家族。
人間なんて所詮そんなものだと思う。表向きの行為と内側で考えていることとは全然違う。違っているのがふつうなのだ。(p.27)
恒例のBBQパーティがお開きになり、それぞれが別荘に帰っていった後、栗原夫妻、高塚の妻、春那の婚約者、櫻木病院の院長が次々に殺害される。
犯人、桧川は近くのホテルで豪勢なディナーを取った後「自分は殺人犯である」と供述しすぐに逮捕される。
動機は死刑になりたかったからと言うものの、犯行の状況については一切喋らず、警察は犯行の全容を解明することができない。
2ヶ月後、被害者家族である高塚からこの事件について検証会を開きたいという申し出があり、被害者家族が現場である別荘に集まることになる。
そこへ長期休暇中だった加賀恭一郎が春那の付き添いとして同席し、事件の解明に乗り出す。
読み終えて
昔、「読み始めて10ページぐらいまでに殺人があるか、白骨死体が出てくるかしないと読む気がしない」なんて言ってたことがあるタカハラ。
今ではそんなこともなくなったわと思っていたけど、やはりそうでもなかったみたいで、初めのうちは数ページ読んでは寝落ちするという状況だった。
加賀が現れてからは俄然おもしろくなって引き込まれて読んだ。
今回は加賀が休暇中ということで、捜査というより被害者遺族に付き添うという形で検証会に参加し、真相に迫っていく。
今までとは違って、遺族の証言や説明から推理し安楽椅子探偵的に事件を解明していくという手法が新鮮だった。
全容が明らかになったかと思うと、最後に「おまけ」がついていて、読者としては「なんと!」って感じ。
まさに「表向きの行為と内側で考えていることとは全然違う」のだ。
このところ、東野さんの作品に少し物足りなさを感じていたのだけど、久々に先が気になって最後までおもしろく読めたよ。
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今日も最後までお付き合いくださってありがとうございます ^_^
どうかステキな1日を!