【読書】『木挽町のあだ討ち』|ミステリーだったのか

【読書】『木挽町のあだ討ち』|ミステリーだったのか

4.0

『木挽町のあだ討ち』 永井 紗耶子

映画化されたと話題になっていたので読んでみた。
昨年末に借りていたのだけど、やっと期限ギリギリの昨日の朝読み終えて返却してきたのだ。

面白くないわけではなく「読みたい」と思いつつも、日中は時間がとれない。
夜はすぐに眠くなってしまうので読めないというパターン。

物語の展開

江戸の木挽町で語り草になっているあだ討ちについて、あだ討ちを成し遂げた菊之助の身内だという侍が当時のことを知りたいといろいろな人に事の次第を尋ねてまわる。

  1. 芝居茶屋の木戸芸者
  2. 歌舞伎の立師
  3. 衣装部屋の女形
  4. 長屋の夫婦
  5. 元武士の戯作者

みんな口を揃えて「立派なあだ討ちだった」と言うのだが、それぞれのエピソードはあだ討ち自体よりも、語り手の身の上話が中心だ。
その話を通して彼らの置かれた立場や時代の様相が浮かび上がってくる。

そして最後の第6幕で菊之助本人から事の顛末が明らかにされる。

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読み終えて

いつものことだけど、なんの予備知識も入れずいきなり読み始めたので、最初のエピソードを読んだ時にはあだ討ちの内容より木戸芸者の身の上話が延々と語られ「関係ある?」と思ってしまった。

それでも人々の身の上話を読んでいくうちに、彼らが置かれた境遇やその時代の様相が明らかになっていき、彼らのものの考え方、捉え方などもとても興味深い。

底辺と言われる生活の中で、それぞれが人生を楽しもうとしている姿に引き込まれる。
彼らの話を聞いて菊之助が心身ともに逞しくなっていくのも感じられた。

ちょうど昨年の大河ドラマ『べらぼう』と重なる時代背景で、ドラマを思い出しながら読んだ部分も。

最後の章で菊之助から真相が語られると「そうか、そういうことだったのか」と。
芝居町の人たちが持つ心意気と技が集結したという感じ。
それまでの理不尽な出来事に対してちょっと溜飲が下がる思いもした。

時代小説だと思って読んでたけど「あ、これはミステリージャンルの小説だったのか」と初めて認識したという次第だ。

どのように映像化されているのか興味はあるけど、観にいくかどうかはわからないなー。

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