【読書】『夢も見ずに眠った。』絲山秋子:まさか泣くとは思わなかった

4.0
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今年最後の1冊。
今年は37冊しか読んでいない。少なかったなー。
特に、やまとという新しいメンバーを迎えてからはめっきり読書時間が減ってしまった。

1冊読むのに2週間ぐらいかかるので、そうすると物語の流れも忘れてしまうのよねぃ。
2週間かかるのも、忘れてしまうのも、どっちもがっかりな現象だ。

物語の展開

物語は、布施高之と沙和子の夫婦が岡山の大学時代の友人を訪ねるところから始まる。

いつものように、予備知識なしのネットでタイトル買いだったので、冒頭から岡山のローカルな地名が出てきて、岡山県民としては一気に心掴まれたというカンジだ。

章題は「晴れの国」。
余談だけど、この地方では「晴れの国おかやま」とアピールしているけど、実際は晴れの日が多いというわけではなく、雨が降らない日が多いということのようだ。

山陽本線下りの電車の中で、高之が予定外に笠岡のカブトガニ博物館に行くと言い出したことで仲違いし、沙和子は倉敷で降りてしまう。

沙和子はバリバリのキャリアウーマンだが高之は婿養子で、仕事を辞めてからアルバイトを経て児童福祉関係の非正規の仕事をしている。
文章からも、なんとなく2人の力関係のようなものが伝わってくる気がする。

その後沙和子は札幌に単身赴任することになり、高之は沙和子の両親と暮らすことになるのだが、2人の気持ちが噛み合わず、お互いに何かを抱えたまま、少しずつ無理をしているのが伺える。

そして高之はうつ病を発症し、2人は離婚。

離婚後も、2人の暮らしぶりがそれぞれの視点で描かれていて、お互いにいろんな人との出会いを経験しながら少しずつ変化していく様子が感じられる。

すべてはばからしく、同時にいとおしいと思われるだけの価値を持っていた。矮小な存在でありながら無限と繋がっているのだった。

p.218

このような突然降ってきた感情に、高之は多幸感に包まれ、前を向いて進み出す。
彼は沙和子の実家に行き、怪我をして入院している沙和子の病院に行く。
再会。

読み終えて

再会したあとも物語は続くのだけど、2人が自分の感情を受け入れ、相手に対して素直になっているのがわかる。

夫婦間のいきさつはさておくとしても、それぞれがいろんな場所に行き、その土地の情景描写がとても克明で、行ったことのある者にとってはすごく感情移入できた。

彼らは最後に島根・鳥取に行くのだけど、その時にまた岡山駅に立ち寄る。
「山田村」のおむすびや隣の焼き鳥屋「しんぱち」が出てきて、しょっちゅう店の前を通ってる身としては非常に親しみが湧いた。

伯備線も、高梁川の様子も「よくぞここまで詳しく描いてくれた」という気持ち。
ちょうど来年は出雲大社に行きたいと思っていたので、彼らの行程もとっても興味深かった。

個人的には高之と沙和子の物語というより、なんだか紀行文に近い感覚で読んでしまったわ。

最後のところは先日のイルミ見物の時間つぶしのためカフェで読んでいたのだけど、不覚にも涙がポロッとこぼれてしまった。

まさか泣くとは思わなかった。
ステキな物語だった。

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