膠原病の中でも60歳代の女性に発症することが多いと言われるリウマチ性多発筋痛症を患ったタカハラ。
発症から寛解までの、極めて個人的な記録をまとめてみました。
膠原病と診断されるまで
膠原病という名前は聞いたことがあったけど、自分がその病気になるとは夢にも考えていなかった。
病気になるとは、誰しもそういうことなのだろうね。
最初の兆候
2019年11月上旬
- 首が痛くて回らない
借金のせいかと思ってたけど、そういうわけではなく、首の後ろに触っただけで声が出るほど痛い - 何もしていないのに、脇腹、肩甲骨の下、上腕が筋肉痛
その頃64歳だったわたしは、歳をとるとそういうものなのかと、わりと楽観的に考えていた。
全身筋肉痛
- 職場で机の前に座っているだけで筋肉が固まっていくような気がする
- 立ち上がった時には身体中ガチガチで、壊れたロボットになったようだ
- 腰もひどく痛み、顔を洗うのに前屈みになるのが耐えられず10秒が限界という感じ
- 夜、寝返りするたびに痛みで目が覚める
5年ほど使っていた低反発の寝具がダメになったのかと思い、別の寝具に替えてみたりしたけど効果なし。
整骨院にも12月から1ヶ月半ほど通っていたが、改善される気配もなし。
とにかく体を動かすたびに全身が痛い。
立ったり座ったり、起き上がったりの動作がとても辛かった。
かといって全く動けないわけではなく、動き出すとなんとか普通に歩けるし、動けるのよ。
そのころは痛み止めの薬を飲んで通勤していたの。
発熱
1月下旬ごろ、その頃はまだ整骨院にも通っていたけど、微熱が続いていた。
よく考えたら、ただの筋肉痛が2ヶ月近くも続くのはおかしいし、整骨院に通っても全く改善されないのもおかしいよねと思い始めて、近所のかかりつけの内科を受診することにした。
症状を告げると、先生は「1番に考えられるのは膠原病だね」と言って、血液検査をすることに。
その検査結果を見て 私の仕事はここまでです。専門の病院を紹介します と、総合病院のリウマチ・膠原病内科を紹介してくれた。
リウマチ・膠原病内科を受診
総合病院ではあらゆる検査を受けた。
- 血液検査:検査技師の人に「9本取りますねー」と言われてビビる
- 尿検査
- 両肩と股関節のレントゲン
- 肩関節のエコー
- 胸部レントゲン
担当医はおそらくリウマチ性多発筋痛症だろうと言い、ステロイドを服用することになると。
ただ、ステロイドにはリスクがあるので、投与しても大丈夫という判断をするためにたくさんの検査をしていると説明してくれた。
検査のうち、CTとMRI はその日の予約が取れなかったので後日ということになり、1週間後正式に リウマチ性多発筋痛症 という膠原病の一種だと診断された。
この病気は「リウマチ性」とついてるけど、リウマチの検査は陰性なんだよね。
ちょっと不思議。
その後、ステロイドを服用すると骨粗鬆症になりやすいからと骨塩定量の検査をしたのだけど、既に骨粗鬆症だということが判明した。
治療開始
この病気の治療というのは、ステロイド剤を服用することしかないわけで…。
わたしの場合、まだ初期状態で比較的軽度だそうだ。
じゃあ、重度の人だとどんだけ痛いんだろう、あれ以上の痛みに耐えてる人がいるのだろうかと思う。
ステロイド薬と感染症予防の薬と胃薬が処方された。
ステロイドは1日10mgで、朝晩5mg錠を1個ずつ、忘れないように飲むようにとのことだ。
ステロイドの効果に驚愕
病院から帰った日の晩、5mg錠を1個飲んで就寝。
なんと、その日から寝返りをするときの激しい痛みがほとんど消えて魔法にかかったかのようだった。
それだけ即効性があるということは、それだけ副作用やデメリットもあるのかもしれないなと思う。
でも、あの痛さには替えられない。
ステロイドさまさまだよ。
ステロイドを徐々に減量
ステロイドはやはり副作用も強く、なるべく早く減量したほうがいいというので、2週間後には7.5mgになった。
それ以後毎月1回の通院で、血液検査では主にCRP値を見るのだけど、それを見ながら6mg、また1ヶ月後に5mgと、順調に減量できていた。
減量失敗? 再燃
順調にいっていたように思えたのだけど、8月に2mgになったところでCRP値が上がり痛みも出てきた。
2ヶ月間は2mgのままでいったけど、CRP値が下がらないため、10月からまた4mgに増量。
それからは翌年の2月に3mg、6月に2mgと、かなり慎重に減らしていき8月には1mgに。
ステロイド離脱
10月には「ステロイド、止めましょう」ということになった。
わたしとしては、あんなに魔法のように痛みが消えたステロイドを止めてしまうのはちょっと不安があったけど、担当医は
いつまで飲んでもこれ以上変わらない。それより骨に悪影響があるから、なるべく早く止めたほうがいい。もしまた痛みが出たら、その時は別の方法を考えましょう
と言うので離脱することになった。
脱ステロイド後
ステロイドをやめて10日ほど経った頃、また身体中が痛くなり、太腿も筋肉痛みたいな感じだ。
おそらくこれはステロイドの離脱症状だろうと自己判断した。
薬物依存症の人の禁断症状みたいなものだろうと…。
実際11月には痛みもなくなり、血液検査でもCRP値は正常値だった。
膠原病寛解
2021年11月末
膠原病は完全に治る病気ではないようで、再燃の可能性もあることから治癒ではなく寛解というところだ。
原因も睡眠不足とかストレスとか言われたり、遺伝的なものと言われたりもしているけど、はっきりとは判明していないらしい。
自己免疫異常には違いないらしいけど。
つまり、これから再燃しないために何に気をつけたらいいのかもわからないということだ。
とりあえず、寝不足にならないようにとは心がけてるけど、今は睡眠時間6時間足らずなのでもうちょっと早く寝るべきだとは思っている。
ステロイドの副作用
わたしの場合は、それほど大量に服用していたわけではないので、そこまで顕著な症状は表れなかったと思う。
- ムーンフェイス:1番目立ったのはコレ。顔が頬骨がわからないくらいプクっと膨れたけど、薬を減らすにつれて元に戻った
- 骨粗鬆症:ステロイド服用する前から骨粗鬆症だったみたいで、進行を防ぐため月に1回飲む薬が処方されていた
- 肝機能の悪化:薬を飲み始めて1年ちょっと経った頃から血液検査の数値が上昇。これがステロイドのせいかどうかはよくわからないけど、今月のかかりつけ医院での検査では下降傾向にあるので、もしかしたらステロイドのせいだったのかもと思っている。
- 喉頭浮腫:息ができなくなって、すごく苦しかった。直接ステロイドが原因ではなく、骨粗鬆症の治療のために打った注射の副作用だったようだ。
膠原病内科とは別に、同じ病院の耳鼻科に10日間ほど毎日通って点滴をした。
その結果、骨の治療は注射ではなく飲み薬になったというわけだ。
膠原病と仕事
膠原病を発症した当初は総務課にいて、与えられた仕事を自分でペース配分してこなすことができたので、薬を飲みながら続けられると思っていた。
ところが、新年度から別の部署に異動になって、そこは来客対応などがあり自分のペースで仕事をすることができないのだ。
自分で想像していた以上に疲れた。
夏にプールで泳いだ後のような疲労感と倦怠感に襲われる。
この病気は外から見てもわからず健常者と同じなので、なかなか理解してもらいにくいところはあると思う。
わたしの勤務先では特別な理由がある人に配慮するシステムがあって、申請を受け付けていた。
5時までの勤務を2時間ほど時短にしてもらえたらいいのになとは思ったけど、実際3時ぐらいから忙しくなる日もあるので、毎日3時までの勤務にしてくださいとは言い出せなかった。
そういうわけで、65歳目前の7月末で退職する決心をした。
まとめと現在の状況
膠原病になって、あの総合病院に通わなければ出会えなかったであろう景色を2巡したことになる。
薬さえ飲んでいれば全く普通に生活できるので、病院に通うのも苦にならなかったし、むしろ行く度に違った風景が見られるので楽しんで通っていた。
とりあえず、どこに行ってもなにか楽しみを見出そうというのはわたしの得意とするところだ。
そう言えるのも、今ステロイドから離脱して、病気だったことを忘れるくらい普通に暮らせているからだと思う。
再燃する可能性もないわけではないけど、疲れすぎないように、寝不足にならないように注意して、これからものほほんと暮らしたい。
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