今日は七十二候では「鴻雁北」 こうがん かえる
5日前は「玄鳥至」 つばめ きたる
燕がやってきて、雁は北へ帰る季節
こういうことに趣を感じる年頃だろうか。
『俺たちの箱根駅伝』上・下を読み終えた。
『俺たちの箱根駅伝』 池井戸 潤
物語の展開
上巻は箱根駅伝の本戦出場を逃した大学から選抜された選手を集めた関東学生連合チームができるまで、
下巻は記録として残らない関東学生連合が3位以上を目標に掲げて箱根を走る姿、そしてそれを放送するテレビ局のスタッフたちの奮闘ぶりが描かれている。
古豪・明誠学院大学陸上競技部。
箱根駅伝で連覇したこともある名門の名も、今は昔。
本選出場を2年連続で逃したチーム、そして卒業を控えた主将・青葉隼斗にとって、10月の予選会が箱根へのラストチャンスだ。故障を克服し、渾身の走りを見せる隼斗に襲い掛かるのは、「箱根の魔物」……。
隼斗は、明誠学院大学は、箱根路を走ることが出来るのか?
一方、「箱根駅伝」中継を担う大日テレビ・スポーツ局。
プロデューサーの徳重は、編成局長の黒石から降ってきた難題に頭を抱えていた。
「不可能」と言われた箱根中継を成功させた伝説の男から、現代にまで伝わるテレビマンたちの苦悩と奮闘を描く。
読み終えて
池井戸潤さんの作品だから、面白くないはずはないと思っていたのだけど、出版されたことを知ってからも長い間躊躇していた。
「駅伝」なら三浦しをんさんの『風が強く吹いている』を号泣しながら読んだことが忘れられなくて、アレ以上のものはないと思っているので、なかなか読む気が起こらなかったのだ。

この作品を読み始めてからもなんとなく入り込めず、「はいはい、この隼斗くんのチームが頑張って本戦の出場権を獲得して本戦に向けて頑張る話ね」と、安易な想像をしながら読んでいた。
が、その思いはすぐに的外れだったと気付かされる。
物語は、明誠学院大学が11位に終わり、キャプテンだった隼斗が関東連合チームに選抜されるところから始まる。
そして、毎年箱根駅伝を放送しているテレビ局の取り組みが絡んでくる。
全く予備知識を入れずに読んだので、そういう切り口でくるのかとちょっと意表をつかれた感じだったわ。
そこから先はスポ根ものを読む時のお約束で、ところどころ涙を流しながら読み進んだよ。
わたしは箱根駅伝のテレビ放送をじっくり見たことがないのだけど、選手一人一人の思い、監督の関わり方、テレビ局の取り組み、いろんな視点から描かれていておもしろかった。
マスコミの報道姿勢にもチクリと。
最後はきちんとまとまるところにまとまって、気持ちのいい終わり方だった。
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今日も最後までお付き合いくださってありがとうございます ^_^
どうかステキな1日を!