クリスマスイブですね。
我が家はなんの盛り上がりもなく申し訳ないくらいですが、とりあえず朝からクリスマスソングを口ずさんでいるタカハラです。
おそらく今年最後の1冊になると思います。
『夜の道標』 芦沢 央
物語の展開
見出しになっている登場人物は4人
- 仲村桜介
小学校6年生でミニバスケをやっている。
同級生の波留はバスケがとてもうまくて、彼と一緒に一生懸命練習している。 - 長尾豊子
スーパーでレジのバイトをしている30代の女性。 - 平良正太郎
横浜市旭西署の刑事。
署内では窓際に追いやられ嫌がらせを受けながら、2年前に起きた殺人事件の指名手配犯を追っている。 - 橋本波留
桜介の同級生。
父親と2人暮らしだが「当たり屋」をやらされていて、転校を繰り返している。
物語はこの4人の視点から、それぞれの暮らしぶりが描かれていく。
一見なんのつながりもなさそうだが、指名手配犯の阿久津を軸に彼らの関係は徐々に絡まっていく。
長尾豊子は、たまたま見かけた阿久津を自宅に連れ帰り、地下室に匿っている。
波留はふとしたことから阿久津の存在を知り食べ物を分けてもらうようになる。
その波留の姿を見かけた桜介は…。
地道に聞き込みを続けながら阿久津の足取りを追っている平良刑事。
彼らはどこへ向かっていくのか…。
読み終えて
先が気になって、とても興味深く読みました。
4人それぞれの視点から描かれていますが、心情や状況もしっかり伝わってきて引き込まれました。
ミステリーなのかなと思って読み始めましたが、そういう感じではありませんでした。
阿久津に障がいがあるのかなというのは分かったのですが、もっと深い問題がありました。
言葉として聞いたことはあるし、漠然とは知ってたけど…。
考えさせられる物語でした。
が、が…、です。
阿久津がどういう状況で慕っていたはずの先生の頭に花瓶を振り下ろすことになったのか。
署内で嫌がらせを受けていた平良刑事とその相棒は現場でどう動き、その後どうなったのか。
長尾豊子は阿久津が戻ってこないことを承知で車のキーを渡したんだろうなとは思うんだけど、彼女自身のことも結構掘り下げて描かれていたので、そのまま放置というのもどうよ。
そのあたりのことが全くフォローされていなかったので、開けた扉がきちんと閉まってないような、妙に中途半端な気持ちになりました。
先日、今年印象に残った5冊を挙げましたが、その時点では「もしかしたらこの作品が加わるかもしれない」と思ってたんだけど、最後がちょっと物足りなかったです。
というわけで、2023年は25冊で打ち止めということになりました。
♫〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
今日も最後までお付き合いくださってありがとうございます ^_^
どうかステキな1日を!