『珈琲怪談』 恩田 陸
久しぶりの多聞さんのシリーズ。
過去2作『月の裏側』『不連続の世界』も読んでるけど、お察しのとおり、覚えてません。
内容紹介
なんか、怖い話ない?
異界が覗き、怪異の似合う古い街。
男たちが喫茶店に集ってすること、とは――。
男子会で、ホラーをダベる。京都、横浜、東京、神戸、大阪、再びの京都――。なぜ多忙な四人の男たち(外科医、検事、作曲家、音楽プロデューサー)は、わざわざ遠出して喫茶店を何軒もハシゴしながら、怪談を披露し合うのか――。そして、いつも茫洋としているが、気づくとなにか肝心なことをぼそっと呟く塚崎多聞とは誰なのか?
中年(壮年?)の男性4人が喫茶店で怪談を披露し合うお話。
怪談だったり不思議な話だったりを4人で時にはチャチャ入れながら語り合う。
「つまり、違和感だったり、ズレだったり、理解不能なものが怖いんだね」
読み終えて
子どもの頃はよく怪談話したよなー。
近所の友だちが集まって円座になり、部屋を暗ーくして一人一人自作の怪談を披露していくという遊びをしていたわ。
「自作」というのがポイントで、時にはオチで大爆笑したことも覚えている。
わたし自身は心霊写真とか、怪談ぽい話はあまり心を囚われないので。
というか、真剣になるとホントに怖くなるから自己防衛かもしれないけど「ンなことあるわけない」と思っている。

この作品中の彼らの話も「へぇ〜」「ふ〜ん」と読み流していた。
話の内容よりむしろ彼らが入る喫茶店のほうに興味があって、どこなんだろうと思いながら読んでいた。
恩田さんの文章は内容にかかわらず、好きなのだ。
初対面は『夜のピクニック』だったけど、「こんなに綺麗な文章を書く人がいるんだ」と感動した。
その後はちょっと怪しい雰囲気の、背後に何かある的な、文章から不穏な空気が伝わってくるのがすごいと思って、結構追いかけていた。
結末がどうとか着地点が…というより、ただ彼女の文章に浸っていたいという感覚。
この作品はわりとスラッと読み終えたのだけど、「あとがき」に
「この『珈琲怪談』に出てくる怪談は、ほぼ実話」と書いてあって、その時が一番ゾワっとしたわ。
喫茶店も実在の店ということで、既にファンの方がいくつか特定してくれてるみたいなので、カフェ活中の身としては、行ける範囲で行ってみたい。
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今日も最後までお付き合いくださってありがとうございます ^_^
どうかステキな1日を!