【シニアの本棚】『ある男』:愛に過去は必要なのか
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【シニアの本棚】『ある男』:愛に過去は必要なのか

3.0
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『ある男』 平野啓一郎

平野啓一郎さんは『マチネの終わりに』を読みました。
出版された時にタイトルが刺さったんですが、恋愛もののようだったので回避したんです。
それなのに、なぜ読んだのだろう…。

映画化されましたよね。
石田ゆり子さんと福山雅治さん。
映画は見てないけど、それでなんとなく原作読んでみようと思ったんですね。

やっぱり無理でした。

この作品も映画がすごい評判で、アカデミー賞総ナメの勢いでしたよね。
またついつい原作読んでみようと思ったのです。

物語の展開

2歳の次男を脳腫瘍で失い、夫と離婚して長男とともに故郷の宮崎に住んでいる里枝。
そこへやってきた「谷口大祐」と再婚して女の子をもうけ、家族4人で幸せに暮らしていた。
ところが突然、大祐が事故で命を落とす。

生前からもし何かあっても自分の家族には絶対連絡しないようにと言われていた里枝だが、大祐の死後1年ほど経ってから手紙で知らせた。

大祐の兄は手紙を受け取るとすぐに宮崎までやってきたが、遺影を見て「これはどなたですか?」「大祐じゃないですよ」と言うのだった。

谷口大祐と名のっていた男は誰なのか。
家族4人の生活は何だったのか。

里枝は離婚調停の代理人であった弁護士、城戸に相談する。
城戸は谷口大祐が誰なのか、なぜ名前を偽っていたのかを調べ始める。

読み終えて

まず、自分が思い描いていたのとはかなり違う展開でした。

たしかに、アカデミー賞でも妻夫木さんが主演男優賞だったのだから気づくべきでしたよね。
主人公は城戸であり、城戸の目線から描かれています。

率直に言うと、城戸自身に関する描写が多くて、本筋がボヤけてるような…。
作者の思っている「本筋」がどこだったのかという思いもありますが、真相を早く知りたいタカハラとしてはちょっとイライラしました。

あと、作者の思想というようなものが結構色濃く表れていたような気がします。
文章もわたしにはまわりくどく思えて、読みながら「めんどくさ…」と思ったりしました。

妻の浮気とか、城戸自身の恋心とか、やっぱり平野さん苦手かも…です。

なんだかやけに辛口になってしまいましたが、あくまでも個人の感想です。
もちろん、絶賛している方もおられるので、本当に人それぞれです。

この作品は、むしろ映画の方がよかったのかもしれないと思いました。
機会があれば、映画は見てみたいです。

余談だけど、『マチネの終わりに』はたしか感想書いたよねと思って引っ張り出してみたら、今回と同じように「まわりくどい」とか「めんどくさい」とか書いてて笑ってしまいました。
平野さんとは相性がよくないようです。

マチネの終わりに 平野啓一郎:やっぱり恋愛小説は苦手 : ギリギリ年金生活
単行本が出版された時、タイトルに惹かれて瞬間的に読みたいと思った。で、よく見てみると恋愛小説だって。なーんだ、アカンわーと思って手を出さずにいたのだ。それが、最近映画になって、なんと石田ゆり子さんと福山雅治さんではないか。なんだかパリの風景...

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