今月、やっと1冊読み終えました。
恩田さんの『鈍色幻視行』でモタモタしていたところだったのですが、図書館本なので恩田さんを中断して読みました。
『君のクイズ』 小川 哲
物語の展開
物語は生放送のクイズ番組『Q1-グランプリ』の決勝戦の場面から始まり、主人公の三島玲央と対戦相手本庄絆の緊迫した情景が描かれている。
早押し問題で、7問先取すれば勝ちで、現在6-6の同点だ。
誤答3回で失格となり、本庄はすでに2回誤答している。
三島はその日の手応えから自分の勝利を確信していた。
ついに最後の問題。
問題の読み手が息を吸い、口を閉じた瞬間、本庄がボタンを押した。
静まり返る客席、呆気に取られる司会者、「やっちまったな」と同情する三島。
しかし、本庄が口にした答えは正解だった。
そして、彼は獲得した賞金1000万円を返還し、行方をくらましてしまう。
他の出演者たちはヤラセではないかと疑っているが、三島にはそうは思えなかった。
なぜ、本庄は問題文が一文字も読まれないうちに正解できたのか、三島はその理由を調べ始める。
読み終えて
テレビでたくさんクイズ番組が放送されていて、わたしも結構見ています。
本当に問題文がちょっとだけしか読まれてないのに正解したり、世界地図がズームされると同時ぐらいに世界遺産の地名を答えたり、すごい人がいるものです。
この作品は、そんなすごい人の思考回路や、クイズを競技にしている人たちの取り組み方なんかが描かれていて、クイズ好きとしてはとても興味深かったです。
本庄はなぜ答えがわかったのか、というより、問題は読まれてないわけで、「なぜ問題がわかったのか」という方が当たっていると思うけど、それを追求する三島の背景や本庄の過去なども浮かび上がってきます。
そうして三島がたどり着いたある1つの仮説。
それを本庄にぶつけて、2人は実際に会って話をすることになりました。
その仮説は読者としても納得できるもので、「あぁ、そうだったのか。なるほどねぃ」で終わると思っていたのですが…。
最後の10ページぐらいで、「へぇ、そうなんだ。本庄さんて、そういう人だったんだ」という、ビミョーなガッカリ感と(何を期待してたのやら…ですが)スッキリしない思いが残ってしまいました。
でも、おもしろかったです。
小川哲さん、お初でしたが、別の作品も気になります。
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