『ジュリーがいた 沢田研二、56年の光芒』 島崎今日子
なぜ、今この本を読む気になったんだろう。
世間が熱狂的だった頃
もちろんタイガースは知ってるし、まわりには熱狂的なジュリーファンもいました。
楽曲もしょっちゅうテレビから流れてきてたのでね、今でも歌えと言われれば歌えるレベルですが…。
当時、あんまり興味なかったんですよね。
『シーサイド・バウンド』も「うるせーな」と思ってたし、♫雨がしとしと日曜日〜♫ というのも、失礼ながら「なんじゃ、それ」と思ってました。すいません。
1971年というと、わたしが高校生の頃だけど、その頃には解散したんですね。
むしろソロになってからの方が印象に残ってます。
「時の過ぎゆくままに」はとっても好きですが、その頃も「いい曲だなー、ジュリーの声魅力あるよねぃ」と思っただけで、それ以上の興味はなかったんですよね。
1975年に「悪魔のようなあいつ」というドラマが始まったことも知らなかったし、「時の過ぎゆくままに」がその劇中歌だったことも全く知りませんでした。
もちろん「危険なふたり」や「勝手にしやがれ」は知ってるし、歌えます。
そのぐらい頻繁に耳に入ってきてましたよね。
それから落下傘背負ったり、ウイスキーを吹き出したりする姿も見ましたが、「ようやるな〜」と思って見てた気がします。
そのうちわたし自身が結婚して育児と仕事に追われ、じっくりテレビを見ることもなくなり、彼自身の露出度も減ってきました。
きっかけは「土を喰らう十二ヵ月」
それ以後見た記憶があるのはNHKのドラマだったと思います。
なんかもう「え?ジュリー?どうしたん?」というぐらいの風貌になってて驚いたのを覚えてます。
でも、ガッカリしたということではなく、それでもテレビに出てるということが(ヘンな言い方だけど)潔いなと感じました。
映画「土を喰らう十二ヵ月」も、なんかそんなジュリーを見てみたいと思って劇場に足を運んだのでした。
映画自体はわりと淡々と流れていって、信州の風景や食べ物が綺麗に描かれて、静かに終わったという感じだったんですが、エンディングでやられてしまったんです。
「いつか君は」
その曲が過去にリリースされていたことも知りませんでしたが、痺れました。
言葉で「しびれた」と発してるけど、本当に胸がドクンとしたというかゾワっとした感じだったんです。
彼の声と歌が素晴らしくて感動しました。
そんな感覚が残っていたところにこの著書が出たので、読んでみようと思ったというわけです。
読み終えて
たぶん、わたしがあまりにも過去の沢田研二さんのことを知らなさすぎるんだと思いました。
楽曲も大ヒットした曲しか知らないし、出演してたドラマや映画も全く知らないのでよくわからない。
掴めないというか手応えがないというか、ついていけなかったというのが正直なところです。
時系列ではなく、プロデューサー、バンドメンバー、マネージャーなどいろいろな切り口から、それぞれの立場の人が語る沢田研二像という感じです。
彼は、敷かれたレールの上で全力を尽くすタイプだそうです。
メイクをしたりシースルーを着たりしたけれども、本質的に彼はメイクも着飾ることも好きではなく、あくまでエンターテインメントの一部として、やる時は徹底してやるという覚悟だった。
彼自身「僕は見世物でいい」と言っていたらしいです。
へぇ〜、落下さんも背負いたいと言って背負ってたわけじゃないのか…、趣味で化粧してたわけでもないのか…。
周りから創り上げられてたのね。スターでいることはそういうことなのかと、感慨深かったです。
たしか亡くなった元夫と同い年のはず。
「まだまだ一生懸命」だそうで、どうかこれからも素敵な歌声を聞かせてもらいたいなと思います。
♫ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
今日も最後までお付き合いくださってありがとうございます。
応援していただけるとさらに喜びます♡
にほんブログ村