【読書】『幻夏』太田愛:最後に一筋の光が見える

4.0

著者:太田愛

デビュー作『犯罪者』でわたしの心を撃ち抜いた太田愛さんの2作目だ。

前作の事件が原因で相馬は刑事課から交通課に左遷されていた。
その相馬が小学6年生のひと夏を一緒に過ごした水沢尚と択の兄弟。

2学期の始業式の翌日、尚はひとりで忘れ物を取りに帰ると言い、そのまま姿を消してしまった。

それから23年後、相馬の友人で今では興信所の所長をしている鑓水のもとへ尚の母親が現れ、尚を探してほしいと依頼する。

またまたつかみはオッケーという感じで始まった本作。

尚の父親は殺人罪で逮捕され強引な取り調べにより自供してしまう。
8年間服役したが、出所直後に冤罪だったことが公にされた。

そして今、一人の男が誘拐の容疑で逮捕され、これも冤罪の可能性が極めて高い。

冤罪というと、もう10年以上前に読んだ作品だけど、朔立木さんの『死亡推定時刻』が激しく記憶に残っている。

ああ、こんなふうにして罪は作られていくのかと憤りを感じながら読んだものだ。

警察が勝手に作り上げたストーリーに合うように証拠が捏造されて提示されたり隠蔽されたりして、自供に追い込んでいく。

警察の思いに反することは全部「嘘だ」と言われ、警察の思惑どおりに「やった」と言うまで拘束され続ける。

事件は現在と過去が複雑に絡み合っていて、読み手にとってはこれでもかっていうくらい辛く切ないことが重なり、どんどん奈落に落ちていくような気分だ。

でも、最後は尚が生きようと思ったんだよね。

太田さんの作品は最後にほんの一筋の光が見えるから、まだ救いがある気がする。

さて次は「天上の葦」、これは鑓水の過去が描かれているらしい。楽しみだわ。

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